「女性とアルコール~楽しく飲んでよい関係」in徽音祭
2005年11月13日(日)、秋晴れのもとセミナー「女性とアルコール」が開催されました。お茶の水女子大学共通講義棟1号館303号室で行われ、120名の方が参加しました(パッチテストのみの参加者も含む)。教室は、びっしりと席が埋まり、立ち見も出るほどの盛況振りでした。予想に反して、男性の参加者も多く、男女の比率はほぼ半々でした。余談ですが、会場となった共通講義棟1号館の前は、野外ステージとなっており、午前中はお笑いのステージがありました。「南海キャンディーズ」「ロバート」「タカアンドトシ」と超人気のお笑いタレントがくるとあって、開門前から列ができるほどの人だかりでした。
セミナーは、金髪のアフロヘアーをかぶった、通称「ビール博士」の村田容常(むらたまさつね)先生(お茶の水女子大学生活科学部食物栄養学科)による、「楽しく飲みニュケーション お酒と酔いの話」から始まりました。大正11年に「未成年者飲酒禁止法」が公布され、20歳以下と知りながらお酒を飲ませた人に罰則がくだることことや、アルコールと酔いの関係、アルコールを代謝するメカニズム、女性とアルコールについてなどの話がありました。熱心にメモをとる姿がみられ、楽しくわかりやすいお話でした。
次に、全員が○×で答えるクイズを行いました。ビール缶に点字があるかや「妊娠中や授乳期の方の飲酒は胎児・乳児の発達に悪影響を与えるおそれがあります。」とビール缶に書かかれているかなど、8問が出題されました。
「お酒は燃えるか」というクイズでは、森義仁先生(お茶の水女子大学理学部化学科)による、アルコールを燃やす実験があり、大いに会場が沸きました。17%、28%、37%、45%のアルコール溶液、43%のウィスキー、96%の世界一アルコール度数の高いお酒「スピリタス:ポーランド原産のウォッカ」が用意され、実際に燃やしてみました。さて、読者の皆さんへ質問です。どれが燃えたでしょうか?答えは、このページの下にあります!
村田先生と森先生のとても楽しいお話&実験は大好評で、「お茶の水女子大学にはユニークな先生がたくさんいるのですね。是非講義を受けてみたいです」という感想がありました。このセミナーでは、特に女性にまつわるアルコール問題に焦点をあてていました。女性にまつわる問題ですが、男性にも知ってもらいたいことなので、男女同数ほどの参加者に、それらの問題について認識を深めていただけたなら幸いです。
特に伝えたったことを2点記しておきます。FASということばはご存知ですか?日本語では、胎児性アルコール症候群といいます。この影響を受けた子供は、 (1)特徴的な顔貌(不明瞭な人中/薄い上唇/短い眼瞼裂など) があり、(2)発育の遅れや (3)中枢神経の問題 (刺激への過反応・注意力の問題・変化への適応困難・学習障害・判断力の問題など、行動障害として現れる)を抱えています。妊娠中にアルコールを飲むと、胎盤を通じてアルコールが胎児の血液に流れ込んでしまいます。胎児はアルコールを代謝する能力が未発達ですから、母体よりもさらに影響を受けます。そのため、妊婦が大量に飲酒すると、胎児性アルコール症候群(FAS)をはじめとする深刻な障害につながる場合もあります。
どのくらいの量なら大丈夫という目安は現時点ではわかっていませんし、個人差が大きいので、安全のため、妊娠中はアルコール類を飲まないようにしましょう。
先天性の障害と違い、これは、100%予防できるものです。妊娠中あるいは授乳中そして、妊娠を考えている女性はアルコールをとらないようにしましょう。妊娠がわかるまで少し期間があるので、その間は特に注意が必要です。女性が自分自身で気をつけることはもちろん、男性も大切な人のために正しい知識をもち、注意しましょう。
2つ目。アルハラとはアルコール・ハラスメントの略称で、飲酒にまつわる人権侵害です。命を奪うこともあります。
アルハラには、1.飲酒の強要2.イッキ飲ませ3.意図的な酔いつぶし4.飲めない人への配慮を欠くこと5.酔ったうえでの迷惑行為があります。1.飲酒の強要とは、はやしたてたり罰ゲームなど心理的な圧力をかけて飲まないといけないような状況をつくることです。2.イッキ飲ませとは、場を盛り上げるためにイッキに飲ませたり早飲みをさせることです。3.意図的な酔いつぶしとは、酔いつぶすことを意図して、飲み会を行なうことで、傷害行為にもあたります。ひどいケースでは吐くための袋やバケツ、「つぶれ部屋」を用意していることもあります。4.飲めない人への配慮を欠くこととは、本人の体質や意向を無視して飲酒をすすめたり、宴会に酒類以外の飲み物を用意しない、飲めないことをからかったり侮辱する、などです。5.酔ったうえでの迷惑行為とは、酔ってからむこと、悪ふざけ、暴言・暴力、セクハラ、その他のひんしゅく行為をさします。これらの行為は命を奪うことにもつながる可能性がありますので、くれぐれも注意しましょう。
当日のアンケートより:感想を抜粋
- ・ 飲酒禁止法について、飲酒した未成年が罰せられないということに驚いた。
- ・ アセトアルデヒドがアルコールを分解することがわかった。
- ・ パッチテストがおもしろかった。よかった。
- ・ お酒についての知識が整理できた。
- ・ パッチテストは是非、在学生にもやってほしい。
- ・ アルコールが体質に合わないことがわかってとても良かったです。
- ・ 働いていると飲み会も多いので、今後は気をつけたいと思いました。
- ・ ‘女性とアルコール’というテーマがまさに時流に合っていると思いました。
- ・ 教授におもしろい人がいるなあと思った。話し方に人をひきつけるものがあり講義を受けてみたいと思った。
- ・ 日本人は酒に飲まれているので、飲酒に関して、罰則等をもっと強化した方がよいと思う。
(左)司会のお茶の水女子大学化学科4年生、(右)阿部さん:お酒博士によるFASの説明
